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-4th style EB Edition-
[雑記] 感動屋なのでやっぱりボロボロ泣いてしまいました
 昨日は映画の日だったので、物のついでに先日号泣した「容疑者Xの献身」の劇場版を観て来ました。ちなみに私はガリレオシリーズの原作小説は数冊読んでいますが、TVドラマの方は1回か2回くらい観たかな? という程度です。

<あらすじ>
 ある小さなアパートに、弁当屋を営む女性とその中学生の娘が二人っきりで暮らしていた。二人はDVを繰り返す夫から逃げてきたのだった。しかし夫は二人の居場所を突き止め、強引に家に上がりこみ復縁を迫って暴れ始めたため、二人は発作的に夫を殺してしまう。死体を隠す場所なんてない、しかし娘を殺人犯にはできない。すると途方に暮れた二人のもとに、隣の部屋に住む数学教師・石神が訪れてきた。彼は一瞬で全てを見抜き、どういうわけか二人の殺人の隠蔽工作に協力を申し込んでくる。そして事件はすぐに警察に発覚し、捜査の手はすぐに二人に伸びるが、石神の策略によって二人にはアリバイが作られていた。石神はどんなトリックを使ったのか? そして何故、ただの隣人のために彼はそんなことをしたのだろうか?


 まあ、大まかな話は同じですが、やはりとにかく派手に、わかりやすくなってるのが大きな違いですね。冒頭の爆発シーンやら登山のシーンなど原作にないアクション(っぽい)部分が大幅に追加されています。やっぱそういうのがないとダメなんでしょうね。また、ラストのエピローグをはじめとした補足説明的な部分も多々あり、その代わりに地味で見栄えのしないシーンはかなりカットされています。孔明を思わせる石神の的確な指示の数々の大部分がカットされてしまったのは少々残念。まあ一番インパクトのある「映画の半券は引き出しに保管していると怪しまれるので、パンフレットに挟んでおいてください」はばっちり使われていたので、それでフォローはできていましたけど。あと、エピローグは、やっぱり蛇足(というのも不適当な表現ですが)でしたね。確かにそれは誰かに言って欲しかったんだけど、本編で言っちゃいけないだろう、というか。複雑な余韻を強引に一つの方向にまとめられたようで、少々違和感を感じました。

 その代わり、クライマックスの犯人の動機(どうしてそこまでしたのか)を語るシーンや、絶叫のシーンなんかはやはり、映像で見せられると破壊力が倍増していますね。原作を読んで動機が理解できなかった人も、このくだりを見れば石神がどれだけ救われたのかがなんとなく掴めるのではないかと思います。まあ私は完璧に石神サイドの人間なので、あまり冷静に判断できている自信がないのですけども。

 あとは、トリック自体の意味合いも少々代わっていましたね。「もう少しで解けそうで解けないアリバイに警察の興味を集中させる(ネタバレ反転)トリック」が「同級生の証言で完全にシロだと証明して他に興味を移させる(ネタバレ反転)トリック」に変わってしまうと、これはもう別のトリックと呼んで差し支えないでしょう。「石神はどうして湯川の推理を軽視したのか」とか、原作を読んでちょっと疑問に思った部分にフォローが入ったのは良かったのですが、その代わりにそんなことを考え付く石神の凄味が薄れてしまったのは残念かも。先述の的確な指示シーンの大幅カット、試験のくだりの省略も合わせて、石神の頭の良さがあまり伝わらなくなってしまったような気がします。

 まとめると、原作ではこれは完全に石神の物語で、湯川は謎解き役プラスアルファ程度の存在感しかないところを、映画では湯川と内海を物語の深いところにぐっと近付けてしまった感じを受けました。わかりやすい例を挙げれば、原作では冒頭もラストも石神について語られていますが、映画では冒頭もラストも湯川と内海にカメラが向けられているのが象徴的ですね。まあこれがどっちが良いとか悪いとかいうものではないので、それぞれ違う味があって良いんじゃないでしょうか。互いに足りないところを補い合っているような関係にあるので、原作・映画を両方経験するのが一番楽しめるのではないかと思います。どっちかといえば原作から入った方が良い気がしますけども。

 あと余談ですが、このトリックは誰も思いつかないうちこそ強い効力を発揮しますが、誰かに悟られてしまうとあっという間に崩されてしまう脆さがありますよね。「富樫の実家に行き、彼の本当の指紋を採取して比べ(ネタバレ反転)」ればすぐに死体が別物(ネタバレ反転)だとバレてしまいます。もちろんトリックが暴かれないうちは自転車があればそれで警察も十分だと考えるので問題ないでしょうし、石神もそう考えたのだと思いますが。
by hpsuke | 2008-12-02 16:46 | 雑記
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