[同人音楽] 購入物感想・2006年冬の肉欲祭編3

　今回は東方アレンジのフルボーカルCDばっかり三連発です。「石鹸屋のお歳暮2」もここに並べたら良かったかもしれませんが、あっちはすでにやってしまったあとなのでしょうがないか。

　

東方月燈籠
（東方アレンジフルボーカル・イオシス）
　普通の歌曲もあるものの、基本的には最初から最後までこれでもかこれでもかと言わんばかりのネタの嵐。アレンジの種類と方向が非常に多彩で、しかもそれがいちいちサマになっているのでネタアレンジCDとしてはかなり良い出来だと言えるんじゃないでしょうか。ていうかTr.8とTr.EXの開き直りっぷりは正直降参です。アレらを東方アレンジと言い切る姿勢に乾杯！　アレは違う曲のアレンジと言った方が絶対早くて正確ですよ（笑）。

　しかし、濃いネタでボーカルを「誤魔化している」部分も確かにあって、ネタトラックは良くてもいわゆる普通のアレンジトラックとなると少々物足りなさも感じてしまいます。それにネタが良くも悪くも濃厚かつ量が多いので、人によっては食傷気味になるかもしれません。まぁそれさえ承知の上なら、とりあえず手に入れておいて損はないです。

　特に好きなトラックはTr.12「月夜を隠さない程度の能力？」、Tr.EX(16)「キレ斬レマヨイ」。前者は妙な中毒性の高さにヤラれ、後者には問答無用に完膚なきまでにトドメを刺されました（申し訳程度に広有アレンジなあたりが特に）。ていうかビートまりおさん歌上手すぎ。流石、歌王子……。

　


SOUND HOLIC MEETS TOHO ～東方的夢幻烈歌抄～
（東方ボーカルアレンジ・SOUND HOLIC）
　そしてこちらはうってかわって真っ向勝負のボーカルアレンジ。原曲のメロディの使い方が上手く、アレンジの幅も適度に豊富でかなり聴き応えがあります。原曲を聴きながら「この曲をボーカルアレンジにするとこんな感じかなー」と思ったのを綺麗に体現している感じです。悪く言うと捻りがないのですが、しかし奇をてらわずストレートなアレンジで、しかもレベルの高いものを提供してくれる姿勢は好感が持てるし、何より気持ちが良いです。「カッコイイ東方アレンジボーカル曲が聴きたい！」という方は要チェック。

　特に好きなトラックはTr.02「Fantasia of Love」、Tr.05「Legend of symmetry」。Tr.02は格好良さの中にどことなく漂う色気と迫力がまさに紫（私の勝手なイメージ）。Tr.05は原曲の淋しい部分を上手く抽出しており、「痒いところに手が届く」感じでお気に入りです。しかしこの曲を聴いて元がSTGのBGMとはちょっと想像できませんよ（笑）。

　


Former Frontier
（東方旧作フルボーカル・SEVENTH-HEAVEN MAXION）
　そして最後に旧作オンリー（でもないけど）ボーカルアレンジという異端作。門板のボーカルスレでの評判が凄かったので慌てて入手リストに加えたのですが……うん、確かにひとつひとつの曲のレベルは非常に高いのですが、しかし私は旧作曲にあまり思い入れがないせいか、どうもイマイチ印象に残りませんでした。といってもこれは完璧に私の好みの問題なので、ハマる人は物凄い勢いでハマると思います。それくらい完成度は高いので。

　好きなトラックはTr.07「Phantom-Liberation」。やっぱり聴き慣れた旋律だからというのもありますが、それを差し引いても普通に素晴らしい。三人で歌ってるはずなのに二人にしか聞こえませんが……（笑）。あと蓮台野夜行でお馴染みのTr.06「Harmonie」も割と好きです。



　今回は以上。こうして見ると、最近は本当にアレンジ系のボーカルトラックが増えましたねぇ。ほんの数年前まではオリジナル系はともかくアレンジ系同人音楽でのマトモな歌い手さんというと本当にごく限られていたものですが、ここ一～二年で活躍する人がずいぶん増えたような気がします。良き哉良き哉。