-4th style EB Edition-
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はじめてのみなさまへ~少年漫画に物思うこと
 というわけで改めてお久しぶりです。へっぽこぴーすけです。

 ここが私の現在の更新サイト(ブログ)です。ねこフルスロットルの趣味全開なデザインになっています。というように見えつつ、実はデフォルトで用意されていたデザインをそのまま使っているだけなんですけどね。サイトデザインに凝ることに興味がなくなってしまったので……。

 さて、そんなわけで、初めての方のためにこのブログの簡単な説明をさせていただくことにします。右のメニューの「はじめに」にも同主旨の文章は置いてありますが、こちらの方が現状をより正確に反映しているので、わざわざ「はじめに」を読んでいただく必要はありません。

 このブログで取り扱っているのは、避難所の方にも書きましたが、「東方プロジェクトの攻略&ニュースの感想」「同人音楽CDの購入記録&感想&茶太ニュース」「漫画の購入記録&随想」「どうでもいい雑記」の四種類のカテゴリです。これまでの比率はだいたい3:3:2:2くらい。漫画についての文章がメインだったこれまでのサイトと違い、今回は漫画の話題が中心のウェブスペースではありません。

 東方プロジェクトってなんだ……という方は、一発こちらのサイトから適当に体験版をDLしてプレイしていただければおおよそのところは掴めると思います。一言で簡単に紹介するなら、オタク系同人弾幕シューティングゲームです(私が惹かれているのはオタク部分ではありませんが、オタク臭いのは間違いないので)。それらについてのリプレイを晒したり、それに付随してワンポイント攻略のようなものをたまに載せていたりします。他、本家のニュースについて思ったことをちょっと書くこともあります。

 同人音楽関連は、夏と冬にある肉欲祭(コミケ)やその他のイベントで発表された同人音楽CDをざっくり買い込んできて、その感想を書き綴る購入記録と感想がメインです。音楽についての知識は皆無なので、印象判断しかしていませんが。それと、個人的にずっと応援している同人歌手の茶太さんについてのニュースサイト(というか記録保存)のようなこともやっています。

 そして漫画については、現在は感想のようなものはロクに書いておらず、購入記録やどうでも良いコラムを中心に更新しています。サンデーやジャンプの感想は基本的に一行ポッキリ感想という、おそらくウェブ史上最短の部類に属するボリュームでしか書いておりません。まぁ、まれに一行では足りなくてちょっとした付記のようなものを追加することもありますが。

 少年漫画雑誌の感想を以前のように詳しく書いていない理由は、一言で述べると私の少年漫画に対する考え方が少し変化したからです。単純に個別の漫画への興味が薄れたということもありますが、どちらかというと現在の思考スタンスに合わせたという理由の方が大きいです。

 かつて私が長文感想を書いていた頃は、ネットを見回しても少年漫画をリアルタイムで真面目に読み込んで突っ込んだ考察を加えるサイトというものがあまり見られませんでした(とりわけサンデーについては)。そこで、こういう読み方もあるんだよ、と同じサンデー読者の皆さんに比較的変な珍しい読み方を紹介することを目標に、ひいてはそれを通じて読者の「作品を楽しむ意識」を高め、少年漫画界隈を少しでも賑やかにすることを目標にして書いていたわけです。もちろん自分自身がそういう作業を楽しんでいたという理由も大きいのですが……。

 しかし、現在では少年漫画を「読み込む」作業を行う感想サイトもずいぶん増え、私が意識してあれこれ行う意味も薄れてきました。この現象自体は大変喜ばしいことなんですが、しかしこれに従って、また新たな問題が浮上してきたように感じたのです。

 それは、読者意識の自己正当化という問題です。自分なりの少年漫画の楽しみ方を見つけたサイトが増えてきたのに伴って、自分の読み方こそがあるべき読み方だと思い込み、それのみを追求した主張を行う人が徐々に目立ってきているように思えて仕方がないのです。最もわかりやすい例を挙げるなら、この漫画には萌えが足りない、だからもっと萌えを増やせという主張があります。少年漫画は本来萌えを目指した漫画ではないはずなのに、自分が萌えという読み方をしているということだけを理由に、萌えがない漫画はダメな漫画だ、とばっさり切り捨ててしまっているのです。

 もちろん自分の読み方に沿って自分の評価を下すこと自体は全くもって正当な行為です。そこにケチをつける気はありません。しかし問題は、そういった自分の評価を全てだと思い込み、他の読者にも、それどころか作者にもそのフォーマットを要求することです。それは読者としての立場にあぐらをかいた傲慢でしかありません。

 私の現在の少年漫画の定義は、「少年(子供)に読ませることを目的として描かれた漫画」です(「子供に夢を与える漫画」や「ヒーローを描く漫画」では微エロコメ漫画やギャグ漫画を掬い上げられませんからね。そういった志向は、あくまで「子供に読ませること」を目的とした時の副産物です)。だから、少年漫画を語る時には、まずそのことを念頭に置く必要があると思っています。

 そしてその前提に立った上で現在の少年漫画感想サイト界隈を眺めていて、私たちはまず自分自身の立場を弁え、その上で楽しむ努力をすべきではないのかと私は思うようになったのです。結局は読者倫理の問題で、私はこれを個人的に「お子様ランチの命題」と呼んでいるのですが――大人のお子様ランチ評論家はいても良いけど、お子様ランチはあくまでお子様ランチである――、この命題をまず自分自身で実践するために、かつてのような長文感想は自重している、というわけです。今の私では、普通のボリュームの感想でまだそこまでの境地に至ることはできないので。「少年漫画は大人も読み込んで楽しむことができるけど、でもそのことは声高に叫ばない」、のが現在の私のスタンスです。

 というわけで、過去のような長文感想を扱う予定は当分ありません。長文感想の復活を楽しみにされていた方には申し訳ないのですが、自分の信念に反してまで復活させようとは思えないので、どうかご了承ください。

 以上、現在このブログはそういったスタンスの元にやっております。それでは嫌だ、という方は諦めて他に移っていただけると助かります。まぁ一行でも感想は感想だな、という方だけ、今後もどうぞよろしくお願いします。


 ちなみに残るひとつのカテゴリである雑記は……説明のしようがない本当にただの雑記なので、悪しからず。
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by hpsuke | 2007-05-31 12:33 | 雑記
[雑記] バカな、石橋が崩れ落ちるなんてことがッ
 この記事をもって当ブログの投稿記事数が150件に達したので、そろそろ試運転をやめて存在を正式発表しようかと思います。避難所の方には明日にも告知を出そうかと。もちろんその間に頂いた拍手のお返事は返そうと思います……できるだけ。

 期間にして五か月、合計150件のログはちょっと試運転を引っ張りすぎじゃないのかと思われるかもしれませんが、これは「せっかくお披露目したサイトに内容がないと申し訳ない」という以外にもいろいろ考えた末の結論でして。まずひとつに、このブログは扱う記事の属性がてんでバラバラなので、ちょっとやそっとの過去ログ量じゃ全然厚みが伴わないということ。次に、やっと私の考え方が固まってきたということ。そして最も大事な理由は、今のこのテンションで更新が続けられるか長期に渡って様子見せざるを得なかった、ということです。

 といっても、サンデーの異常なまでの長文感想が目玉だった前サイトとは主旨がだいぶ異なるブログなので、向こうで告知したからといって別にお客さんの数は増えないでしょうね(笑)。漫画の話もないわけではないですが、他の東方や同人音楽(茶太さん関連)に比べると圧倒的に量が少ないですからねぇ。ましてサンデーの読み込み考察のようなものは今のところ皆無ですし。

 ま、現時点でここをご覧の皆さんには、はっきりいって全然関係のない話です。ここはこれからもこの調子で、その時その時興味のあることをちんたら書いていきます。というわけでこれまで通り、どうぞ好きな時にちらっと覗いたり見限ったりしてくださいね(笑)。
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by hpsuke | 2007-05-31 02:43 | 雑記
[漫画] 週刊少年サンデー2007年度第26号一行ポッキリ感想
ちくしょおォォ~~~どうしてそんなに笑顔が可愛らしいんだァ~~大塚ァ~~~!!
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by hpsuke | 2007-05-31 01:33 | 漫画
[同人音楽] 本日の収穫物~One Ahead at the End
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Les Framboises(レ・フランボワーズ)
(WHITE ALBUMアレンジアルバム・きときとブラザー2!

 英語のサブタイトルに特に意味はありません。

 知る人ぞ知る、古の激レア茶太さん参加CD。現在では手に入れるチャンスがほとんどないCDのひとつです。手段は例によってアレなんですが、機会に恵まれたので入手することができました。「茶太」というキーワードだけで検索していた人は気付きもしなかったでしょうね……フフフ! フフフフフ!(うるさいよ) ちなみにこのCD、たくまるさんや森永桐子さんなど、茶太さんの他にも何気に豪華なゲストが集まっていたりします。

 さあ、これで私の茶太コレクション収集もいよいよ佳境を迎えつつある感じです。あと私が一度も聴いたことがない茶太さんボーカル曲は、かつてのサイト公開曲「鳥の唄へたれver」と、それに件の「りんごメタル」だけでしょうか(持ってないCDなら何枚もあります。「Under the Heaven」とか「Clover Songs」とか)。でもこればっかりはどうなるもんでもないからなぁ……。
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by hpsuke | 2007-05-29 21:29 | 同人音楽
[漫画] 週刊少年ジャンプ2007年度第26号二行ポッキリ感想
「エムゼロ」の掲載順急降下は叶先生と担当の対立の結果だ、とかいうありえない妄想。

あと、あのホグバックもゾンビで本物は別にいる気がするんですが、そんなに突飛な発想?
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by hpsuke | 2007-05-28 23:40 | 漫画
[漫画] 本日の購入物
・椎名高志「絶対可憐チルドレン」9巻(小学館・サンデー)

 ↓のついでにとらのあなで購入。なんかポストカードが二枚もついてきましたよ(このコミックス専用おまけの「絶チル」とサンデーコミックス全般おまけの「ハヤテ」)。こういうのはいつも扱いに困るんですよね……要らないわけじゃないんですけど。とりあえず今回も帯箱(コミックスの帯を捨てずに溜め込んでいるボックス)に突っ込んでおくことにします。

 この巻には一部で嵐を巻き起こした末摘さんの素顔公開イベントが収録されています。この一件は椎名先生自ら担当の反対を押しきってやっちまったとカミングアウトしてましたが、なんとゆーか、私としては椎名先生の気持ちがわかる気がするんですよねえ。今回の巻末おまけからもそういう臭いがプンプンしているんですが、「このオタクども! そういつもいつも都合良く美少女ばっかり出てきたりハダカを拝めたりすると思ったら大間違いだっつーの! 期待してんじゃねーよバーカバーカバーカ!」みたいなひねくれ根性、もとい怨念?には大変共感してしまうんです(笑)。やっぱ都合の良いことばっかり考えてる連中には現実を突きつけてやりたくなりますよね! しかし、こんなにひねくれているのに、これで比較的オタク受けの良い漫画家なんだから椎名先生は侮れません……。
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by hpsuke | 2007-05-26 00:24 | 漫画
[同人音楽] 本日の収穫物~Painful Respiration

rainbow

(オリジナルボーカルアルバム・my sound life


カタン -cotton-

(唱歌アレンジメジャーアルバム・みとせのりこ

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空の色、春の色
(オリジナルボーカルアルバム・ピクセルビー

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Flowering ERINNNNNN!!
(東方ボーカルアレンジアルバム・COOL&CREATE

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蟲と東方と青酸(メロン)ソーダ
(原曲破壊系東方アレンジアルバム・蟲とLumpyとミュージックコンクリート

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Phantasm Brigade
(ボーカル&トランス系東方アレンジアルバム・Silver Forest

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K点
(東方アレンジ&オリジナルボーカルアルバム・Light?Staff

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東方蓬千歌~Sound of Chord~
(東方ボーカルアレンジアルバム・いえろ~ぜぶら


 英語のサブタイトルに特に意味はありません。

 今日は三大M3茶太CDのひとつ「rainbow」の発売日ということで、早速魔窟へと突入してきました。今回は「rainbow」の他にも例大祭物やみとせさんの「カタン」の購入という目的も兼ねています。

 「rainbow」は発売日通りに売り出しているかどうか不安でしたが、ちゃんと棚に並んであったのでさっくり購入。みとせさんの「カタン」もその下にあったのでついでに回収。この辺は同人音楽ではないので値段がやっぱり他と全然違いますね……。この二作だけでもう6kオーバーです(笑)。

 ピクセルビーさんの「空の色、春の色」は某同人音楽CDレビューサイトで取り上げられていたのに興味を持って入手。もともと少女病さんのアルバムで良く耳にしている人なので、全くの初挑戦というわけでもありませんし。なんとも良いジャケットだったのも入手決定の一因かも。これもトータル22分45秒で1365円とやや割高ですが、これくらいなら投資の許容範囲だろうと突っ込んでしまいました。

 残りは例大祭発表のCDよりボーカルアレンジをメインにチョイス。これでも結構な数の東方アレンジCDを持っている方なんですが、とりあえず現在の結論として「何か特別なプラスアルファを加えていない限り、やっぱり本家が一番良い」という身も蓋もないところに落ち着いてしまったので、今回は通常の東方アレンジCDはざっくりと見送らせていただきました。その点ボーカルものは確実に本家にはないプラスアルファが上乗せしてある(はずだと思う)ので、ボーカルメインの選択は一見かなりの冒険に見えつつ実は結構な安全策だったりします。ていうか全部買ってられるような金はないし。

 他の注目物はまだ委託してないかすでに完売してるかのどっちかなので、また改めて。
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by hpsuke | 2007-05-26 00:10 | 同人音楽
[漫画] 週刊少年サンデー2007年度第25号感想追記~BFC臨床レポート
 昨日から今日にかけてずっとぼんやりしていました。実は先日の鎌児ショックがまだ抜けてなくて、ふとした弾みに思い出しては鬱にハマるというか叫び出したくなるというか、そのくせ妙にそれを思い返してうっとりしてしまうというか、そんな症状に陥っていたのです。普通の読者の方なら「ラブコメの主人公がちょっと女装したら意外と可愛かっただけ」程度のことだったのかもしれませんが、私にはもっと大事だったんです。何故かというと、私はかつて「バーコードファイター」に激しい精神的ショックを受けた少年たち、すなわちバーコードファイター・チルドレン(以下BFC)の一人だったからです。

 「バーコードファイター」は1992年から1994年までコロコロに連載されていた漫画。当時あった「バーコードバトラー」という玩具のタイアップ企画で、バーコードの数値を元に自分だけのロボットを生み出し、自分でそれを操縦して戦えるというバーチャルゲームを舞台に、熱血主人公が成長してゆく……という、大筋だけを取り出せばごくまっとうな少年漫画です。しかし……詳しいことはちょっと作品名で検索をかければすぐわかるんですが、ご存知ない方のために少し解説すると、この漫画、当時の多くの少年読者にとんでもないトラウマを残していったことで有名なんです。

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 問題となったのが、上の本作品ヒロイン・有栖川桜(さくら)。良くも悪くも子供っぽい絵柄のヒロインが溢れていたコロコロの中で(中には「電人ファウスト」みたいなのもありましたが(笑))、さくらには他とは違うなんともいえない色気があって、子供心にどきどきしていたのを覚えています。

 しかし、さくらには重大な秘密がありました。
 そう、こんなにかわいいのに、さくらは男だったのです。

 今でこそそう大したことではありませんが、当時としては、しかも幼稚園児から小学生くらいが読む漫画雑誌として、これは異常とも呼べる展開でした。当然のごとく、さくらに感情移入していた純真な子供読者たちは心に致命的なダメージを受け、私を含むその中の大半がトラウマを抱くことになってしまったのです。BFCの誕生した瞬間です。

 こうして生まれてしまったBFCですが、その症状は患者によって異なります。私のように女装と聞いただけで過敏反応を示すようになった者もいれば、逆にそっちの道に目覚めてしまった者もいます。「さくら」という名前だけでショック反応を起こす者もいましたし、当時の読者の中には、あまりのショックに吐いた、数日間寝込んだといった重症患者の存在もあったようです。

 サンデー読者ならば似たような例として「葵DESTRUCTION!!」の鮫島葵を思い浮かべる方もいるでしょう。「葵DESTRUCTION!!(以下葵)」とは、どう見ても小学生~中学生の美少女にしか見えない38才の親父の奔放な言動に息子の強面不良少年が四苦八苦するという内容の、井上和郎先生の名作読み切り。大勢の暴走族集団が親父一人に萌え狂って改心するというあまりに衝撃的な内容は、発表当時は大変な反響を巻き起こし、伝説の読み切り、読者の何かを壊す聖典などと呼び敬われたことで有名です(その話題ぶりから読み切りとして異例の続編が二度も描かれ、さらに異例なことに単発単行本化されています)。

 しかし、この「バーコードファイター(以下BF)」の破壊力は、正直「葵DESTRUCTION!!」の比ではありませんでした。今回は、この「葵」と対比する形で、「BF」の恐ろしさをまとめてみたいと思います。

 まず第一の恐怖が、その下積み期間の圧倒的な違い。「葵」は単発の読み切りモノで、問題のカミングアウトシーンまで5ページしかありません。しかも、そこに至るまで「何かとんでもないオヤジがいる」という前情報が提示されているため、読者としてもある程度の覚悟を持って葵の正体に挑むことができます。ゆえに、カミングアウトによって受けるショックはある程度緩和されています。しかし、「BF」でさくらの正体が明かされるまでに要した期間はおよそ1年。その上、カミングアウトの回までほとんど前フリはありませんでした。つまり、「BF」はBFCが一年間信じ続けた現実を一瞬で粉々に崩壊させてしまったのです。そのショックたるや計り知れないものがあります。

 第二に、ヒロインの性質の違いが挙げられます。「葵」の鮫島葵は、可愛いことは可愛いのですが、その可愛らしさはあくまでマスコット的な可愛らしさであって、異性に対する感情――はっきり言って性的欲求とはややニュアンスが異なります。だから性別と容姿の間にギャップがあっても、あまり深刻な問題として受け取る必要がありません。しかし「BF」のさくらは、先程述べたように女性として魅力的だったのです。BFCにしてみれば、マスコットというよりは「同じクラスにいるけっこう可愛い女の子」に近い扱いでした。さくらのキャラクター性として「女性であること」はかなり大きな位置を占めていたので、それが一気に失われてしまうことでのダメージもまた非常に大きかったのです。
 
 そして「BF」が「葵」を凌ぐ問題作になった最大にして最悪の理由は、その対象がある程度こなれた読者層(サンデーの少年読者を含む)ではなく、まだ年端も行かない幼い少年たちだったことです。子供が子供たる所以は、自分の価値観と世界の価値観を一致させて認識している点にあります。つまり、「さくらは女の子だ」という常識はその子供にとって世界の常識だったのです。それが突然否定されてしまった――この瞬間、子供にとっての世界の一部は失われ、そこにはぽっかりと大きな穴が開いてしまったのです。ある程度世界の常識を正しく把握し、自分の価値観と世界の価値観をきちんと分けることができている大人読者の場合は、ここまでの事態にはなり得なかったと思います。

 また、これが「BF」の何よりも恐ろしいところだったんですが、さくらが男だったということが判明しても、相変わらずさくらはヒロインであり続けていました。多少性別をネタにしたギャグシーンが入るようにはなりましたが、他に新たなヒロインと呼ぶに相応しいキャラクターが登場するわけでもなく(清白彩はヒロイン扱いされていなかったと思います)、「男だった」という事実だけが完全に宙ぶらりんになっていたのです。

 これで「男だからヒロインではなくなる」とか、「男だから他人の扱いも変わる」などといった作中での変化があれば、我々読者もそれに同調し、さくらというキャラクターの頭の中での位置付けの置き換えを行ってショックを和らげていたでしょう。しかし「BF」はそれを許しませんでした。男であるという事実が判明してもさくらはさくらとして他の登場人物に好かれ、さくら自身も何一つ変わることはなく、さくらのサービスショットはその後も平然と誌面に載り、さくらというヒロインはBFCにとって変わらず魅力的であり続けたのです。それどころか連載後期は明らかにさくらのサービスショットがエスカレートしていきました。

 これではBFCはさくらへの感情を黒歴史として封印することもできません。こうして、さくらが笑ったり活躍するたびに我々BFCは「自分が好きになったのは男であって、かつ未だにその男が好きなのだ」ということを繰り返し繰り返し目前に突き付けられ、一度崩れた現実を立て直すこともできずに、幼心にただ着々と自身のトラウマを深めていったのです。

 今でこそ私もある程度の年齢になり、精神的な体裁も整ったのでトラウマが表に出ることは滅多になくなりましたが、しかし当時植え付けられ増幅されたショックは未だに精神の奥底に眠っています。そしてそれは、今回の鎌児のようなふとした弾みで簡単に表出してしまいます。「葵」の単行本で作者の井上先生は「この漫画を読んで何かが壊れたという感想を数多く目にした」と書いていますが、その言を借りるなら我々BFCのそれはとっくの昔に粉々にぶっ壊れています。

 一度壊れたものはもう元には戻りません。時間という名の接着剤でなんとか組み立て直した程度では、ちょっとした刺激でまたバラバラに崩れ落ちてしまいます。今もなお我々BFCは、いつまた崩れるともわからない何かを抱えたまま、もしくは壊れてしまった何かの破片を抱えたまま、何食わぬ顔で街中を歩いているのです。


(ネタなのかマジなのか良くわからないまま終わり)


 ……え、なら「ハヤテ」の女装の時なんの反応もなかったのは何故かって? だって、畑先生の画力じゃ男女の描き分けなんかあってないようなもn(r
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by hpsuke | 2007-05-24 19:51 | 漫画
[漫画] 週刊少年サンデー2007年度第25号一行ポッキリ感想
ゴメン父ちゃん、オレ、モリ先生の本気をナメてたよ……普通にときめいちゃった……orz
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by hpsuke | 2007-05-23 09:58 | 漫画
[同人音楽] 購入物感想・2007年春編2

コスモス -変調する世界-

(オリジナルボーカルアルバム・Barbarian On The Groove
 かつて考えられていた、けれど実現しなかった未来像を髣髴とさせる「レトロ・エレクトロ!」がテーマのオリジナルボーカルアルバム。作曲陣はいつものBOGメンバー、歌い手もいつものゲストのみなさん。BOGさんのオリジナル作品はこれで10作目になるそうです。

 確かにポップなエレクトロを目指しただけあって全体的にハネた曲調やアレンジのトラックが多いのですが、正直な感想としては、いつものBOG作品を逸脱したものではないように感じました。つまり、構成はしっかりしてて完成度は高いんだけど、あんまり印象に残らなくて感情移入もできないということです。今回は従来とはかなり趣を異にするテーマでその分変化があることを期待したのですが、結局「ちょっとアレンジが違う」程度に終わってしまったような気がします。少なくとも、テーマである「レトロ・エレクトロ」の再現度については私のイメージとは上手く噛み合いませんでした。

 とりあえず何が個人的に不満だったのかというと、アレンジ面ではピコピコ音が、歌詞や歌の面では遊びがもう少し欲しかったのですが、これは一言で言うなら、良い意味での胡散臭さが足りないんですね。過去思い描かれていたけど現実にはならなかった未来とは、つまるところファンタジーの一種であって、身も蓋もない言い方をするならホラとかパチモンの世界なんですよ(たぶん)。我々がファンタジーに対して剣や魔法を思い浮かべるように、過去の人々は未来に「ウソみたいなテクノロジー」を求めたわけで、だからこそその空気を表現しようとするならば、ウソか本当かわからない程度の微妙に怪しい匂いが必須だったのではないかなーと、私はそう思います。ま、これは私の勝手な「レトロな未来」観であって、こうだったら私はもっと満足したのにな、という程度の話でしかないのですが。

 好きなトラックはTr.01「未来までイルミネイト」Tr.02「ファンタスティック・ナーヴ」かな。なんか後半に行くにつれてどんどん印象が薄くなっていくんですよね……。あと、Tr.03「恋する季節」の「ほ~らぁ」って箇所を聴くと、なんだかわからないんですが微妙にイラッときます(笑)。もちろん真理絵さんが悪いわけではなくて、自分でも何故なんだか良くわからないんですけど、なんか来るんですよ……イラッと(笑)。
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by hpsuke | 2007-05-23 02:59 | 同人音楽



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