-4th style EB Edition-
[漫画] 週刊少年ジャンプ2007年度第25号一行ポッキリ感想プラス
たった19Pで伊東の語りに惹き込まれてしまいました。空知先生の本領発揮ですね。


 新連載の「瞳のカトブレパス」の車掌及びクリーチャーのジョジョっぷりはあまりにもジョジョすぎて笑いましたが、オタスキルがこういう形で活かされるなら私としては大歓迎。なぜなら、蓄積されたオタク要素そのものが漫画の目的とされているのではなく、あくまで「子供向けの漫画を描くという目的」を達成するための手段の段階にとどめてあるからです。たぶん。

 オタ文化だって悪い部分ばかりではなく、中には発達したスキルや卓越した方法論も含まれています。それらを表現の手段として有効利用する分については何の問題もありません。問題は、それらのメソッドを表現の目的そのものにしてしまう――本来子供に読ませることを目的にした漫画を描くべきところで、オタクに読ませることを目的にした漫画を描くことなのです。そういうことをしてしまうと、我々オタク読者の「少年漫画は子供より俺たちを楽しませるために描かれるべき漫画である」というとんでもない勘違いがますます助長されてしまいます。いやまあ、すでにもう手遅れの場所まで来ているような気もしないではないですが。

 例えば本誌で打ち切りを喰らったあとにメディア展開した「武装錬金」や、逆にオタク読者の評価は散々だったが本誌では人気作扱いされていた「MAR」といった、最近ネットのあちこちで不満に言われ続けた諸問題の根源はここにあります。そこは私たちの場所ではないのだから、私たちがそこに居ると座りの悪さを感じるのはごく当たり前の話なのです。だから私たちはこういう漫画を読む以上、自分たちがより楽しめるような読み方を探すのは当然として、本来これは自分たちの居場所ではないのだという自覚をまず持つべきなのではないかと思います。さもなくば半ば永遠にジレンマに苛まれ続けることになるでしょう。自分にとって面白い漫画が何故か長続きせず、自分には面白さの理解できない漫画がいつまでも紙面にのさばっているというジレンマに。

 私がこういうことを言うのは、そこには礼儀の精神が欠けていると思うからです。お金を払って顧客になってしまえば、その範囲の自分の権利はどれだけ叫んでも良いという考え方は、確かに資本主義としては正しいのかもしれませんが、しかしそこに相手のことを思いやる気持ちはありません。自分が良ければそれで良い、相手の都合なんか知ったことではない。もちろん「相手」がそういう顧客の考え方について泣き言を言うのは(本人が納得して契約している以上)ただの甘えでしかありませんが、しかし「自分」がその考え方の尻馬に乗って増長するかどうかは完全に別問題です。

 もし自分の欲望が満たされないのなら、現状に合わせて自分自身を最適化する必要があります。環境にばかり改善を要求しても仕方がありません。まして、自分と環境の違和感の原因を一方的に環境にばかり押し付けるのは、これは傲慢というものでしょう。自分にも環境にも、そもそもの目的というものがあって、それらは自身の目的に沿った時に最大の力を発揮するように構築されているのだから、違う目的の時にもし満足な結果を得られなかったとしても、それは責めるべき箇所ではないのです。目的だけは絶対に見失ってはいけないと、私が繰り返し言っている所以でもあります。

 よく「目的を忘れるほど没頭するくらいが一番良い」と言いますが、これは厳密には違うと思います。正確には、「元々抱いていた誤りの目的を忘れてしまうほど、その事象がもつ本来の目的に没頭するくらいが一番良い」ではないでしょうか。スポーツなら体を動かすことの悦びに、創作ならば創造作業そのものの喜びに、愛し合うならば、愛し合うことそのものの悦びに。


 まぁ、「カトブレパス」は実際まだ第一話でほんの触りの部分でしかないので、本当はなんとも言えないんですけどね(だめじゃん)。ただ、同じジョジョ絡み(?)の漫画でも、「カトブレパス」は「太臓」より遥かに適切かつ真摯に、本来の読者層である子供読者と向き合っていると思います。
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by hpsuke | 2007-05-21 11:26 | 漫画
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