-4th style EB Edition-
[漫画] 最近の「絶チル」についていけなくなってきた理由
 先日の記事で「最近の「絶チル」はなんかついていけない」というようなことを書いてから、何がいけないんだろうなーとずっと考えていたのですが、その答えのようなものがぼんやり見えてきたので少し書いておくことにします。


 結論から言うと、「絶チル」からは子供写真サイトと同じ匂いがするんです。子供写真サイトというのは今作った造語ですが、良くつまらないサイトの例として挙げられる、自分の子供が可愛すぎて写真や動画をまとめたサイトを作ったものの、赤の他人が見ても全然面白くない、というアレです。「絶チル」はあれとおんなじ匂いがするんです。

 なんか誤解を招きそうな表現をしてしまいましたが、私は「絶チル」がつまらないと言いたいわけじゃありません。アレはアレで大勢楽しんでいる方がいらっしゃいますし、自分も好きか嫌いかで言えば好きな方です。私が言いたいのは、ものすごく内輪を向いた作りをしていて、ストライクゾーンの読者層が非常に限定される部分が似てるよな、ということです。


 元々椎名先生は内輪向きの雰囲気を出すのが得意な漫画家だと私は思っていて、たとえば「GS美神」では、その内輪な空気が美神や横島その他の単純明快なノリと良くマッチして、その結果、アホな高校生同士が友達の輪の中でバカをやっているような、わいわい楽しげな空気が生まれていました。あれも方向性としては「内輪」ですが、それが高校生の仲間うちの悪ふざけ的な青春ノリになっていたがために、(現在進行形で高校生であり、そしてかつて高校生であった)多くの人たちの共感を得るに至ったわけです。

 ですが、「絶チル」において、その内輪空気とマッチしたのは、椎名先生自身が家族を持ったことによる、「チルドレンかわいい」的親バカ視点でした。それが幸か不幸か、ストライクゾーンが桁外れに深くて狭い作品を作り上げるに至ったものだと私は考えます。

 チルドレンの三人は作中においてとにかく愛されています。味方のバベルのメンバーも、ライバルのパンドラのメンバーも、学校の女友達も、かわいそうな男子共も、そして当面の敵である黒い幽霊に至ってさえ、とにかくほぼ全員がストレートにチルドレン大好きであるという、およそ普通の作品では考えられないような人間関係設定がそこにはあります。しかも、チルドレンはあまり性格のよろしくない問題児であるという設定が未だに活きているため、設定と作中の扱いになんともいえないギャップが生まれており、そのせいでこの熱狂振りには一種異様な恐ろしさすら感じるのが正直なところです。

 これは……まあ私の憶測に過ぎないのですが……たぶん、椎名先生自身がチルドレンのことが可愛くて仕方がなくなってしまい、それに呼応するかのように作中キャラもチルドレンを溺愛し始めたということではないかと思います。特に中学生編に入ってからは、初期にいた「普通の人々」という「チルドレンのことが嫌いなキャラ」の影がすっかり薄くなり、チルドレン大好きメンバーしか登場しなくなっています。恐らくこのあたりに、私が最近この漫画についていけなくなってきている理由があるのでしょう。


 で、話を戻すと、このような徹底した親バカ視点と内輪向きの作風が融合した結果、何が出来上がるかというと、それが冒頭で説明した子供写真サイトなわけです。見てよホラ! うちの子供ったらこ~んなに可愛いんだよ! という。同じように可愛いと思っている人から見ると、本当に可愛くて素敵で言うことないんでしょうが、私のようにそこまで強く共感できない人間の場合は疎外感というか、ついていけない空気を感じてしまう、という流れがそこにあるような気がします。

 以上、これが私の考える「最近の「絶チル」についていけなくなってきた理由」でした。なんか一般論的に書いてしまいましたが、あくまで私はこう考える程度の話なので、他の人がどう考えてるのかは知りません。誰かに「絶チル」についての意見を伺ったわけでもありませんしね。あーあ、漫画の濃~い話ができる知り合いが欲しいなあ。
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by hpsuke | 2009-10-02 00:13 | 漫画
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